認知療法の実践

認知療法の実践

状態

認知療法のやり方・思考記録表を記入していきましょう。
「状況」の項目からスタートです。
「状況」には問題が起きた日時を書きます。
いつ、どこで、誰が、何を?を意識して
自分に問いかけながら記録しましょう。

良い例
3月13日の午後3時、友人を車で迎えに行く途中に
急に心臓がドキドキして苦しくなった

悪い例
3月13日、車を運転する最中に心臓がドキドキして苦しくなった

悪い例は日付こそ書いてありますが、まだ状況の絞り込みが足りません。
車の運転は、行きと帰りの往復・2回運転することが多いと思います。
他の状況と混同しないように、運転した時間、あるいは乗せた人、目的地などを付け加えて
状況をより明確にします。
認知療法では、問題が起きた時の状況を振り返ったり
一緒にいた人が話した言葉を思い出しながら思考記録表を書きますので、
問題が起きた日時を限定することが好ましいのです。

認知には必ず個人差がある

認知には必ず個人差があり、

客観的な世界そのものとは異なっている。

それゆえ、誤解や思い込み、拡大解釈などが含まれた自らに不都合な認知をしてしまい、
結果として様々な嫌な気分(怒り、悲しみ、混乱、抑うつ)が生じてくると仮定している。
認知療法では不快な気分や不適切な行動の背景として「考え方」つまり「認知」に着目し、
この不都合な認知⇒気分の流れを紙などに書いて把握すること、
また、それらに別の観点を見つけるべく紙に書いて修正を試みる事が根幹である。
そのために根拠を問うたり、ステレオタイプな認知を歪みと命名したりする。

認知療法 (Cognitive Therapy)

認知療法(Cognitive Therapy)とは、

アーロン・ベック(認知療法、もしくは認知行動療法)や
アルバート・エリス(論理療法)や
ドナルド・マイケンバウム(自己教示訓練)によって、それぞれ独立に始められた心理療法の総称である。

ベックとエリスは、それぞれ精神分析学を学んだ精神科医と心理学者であり、
マイケンバウムは行動療法を行っていた心理学者である。

彼等の共通点は、
外的な出来事が感情や身体反応を直接引き起こすのではなく、

そうした出来事をどのように認知するかによって
身体反応や感情、行動が異なってくるとし、

精神疾患やそれに対する心理療法における「認知」の役割を重視した点にある。